テアニン

質のよい睡眠をサポートする成分、テアニンの特徴と効果について解説しています。

テアニンの睡眠に対する働き

テアニン(グルタミン酸エチルアミド)は、お茶に含まれるアミノ酸の一種。カテキンが渋みに関与する成分であることに対し、テアニンはうま味・甘味に影響する成分となっています。緑茶だけでなく紅茶・ウーロン茶などすべてのお茶に含まれていますが、玉露・かぶせ茶・抹茶といった高級なお茶に特に多く含まれています。

睡眠に入りやすいリラックス状態にしてくれる

テアニンを摂取すると、脳がリラックスしているときに出るα波が増加します。「お茶を飲むとホッとする」「気分が落ち着く」といった感覚は、テアニンが持つリラックス効果のおかげなのです。

テアニンは摂取後にまず脳へ運ばれ、神経の興奮・緊張を司る交感神経の活動を抑制。リラックス効果を持つセロトニンや、快楽物質であるドーパミンの分泌を促進します。

そして、約30分後になるとα波の発現が活発化。心身ともにリラックスしてゆったりとした気分になり、眠りに入りやすい状態を作り出してくれるという仕組みです。

ストレスを軽減して睡眠の質を高める

テアニンには、脳の興奮を抑制して神経を鎮静化する作用があります。「なかなか寝つけない」「朝スッキリ起きれない」といった原因の多くは、ストレスや緊張によって交感神経が優位になっているせい。

テアニンの効果によって交感神経の興奮が収まれば、副交感神経が優位になってスムーズな入眠と目覚めが期待できるようになります。

若い健康な男性を対象とした研究によれば、就寝前にテアニン200㎎を6日間にわたって摂取してもらったところ、寝つきがよくなり熟睡感がアップしたのこと。睡眠の質が改善され、起床後の疲労回復感・爽快感も高まったそうです。

冷えの改善

テアニンを摂取してα波が増幅されると、人はリラックス状態になります。すると筋肉の緊張も緩み、血管も拡張。血流が促進されて、手や足の先にある末梢血管までしっかり血液が届くようになります。この作用が、冷え性の改善につながるというワケです。

身体が冷えていると睡眠にも悪影響。冷え性の人は日中も体温がなかなか上がらないため、体温の変動が一般の人に比べて少なめ。人は体温が低下するにつれて眠気を感じますが、そのスイッチが入りにくくなるのです。

睡眠中も身体が緊張して眠りが浅くなり、中途覚醒が多くなるといったトラブルが起こりやすくなります。

テアニンの上手な摂取方法

テアニンを含む食材と摂取目安量

心身のリラックスや神経の興奮を抑えるなど、質の高い睡眠を得るために必要な効果を持つテアニン。さまざまな研究や実験データによって有用な成分であることは明らかなのですが、生命維持に必要な栄養素ではないためか、日本ではまだ「効能を持つ成分」として公式に認められていません。

そのため、1日の摂取目安量も決められていないのです。そこで目安となるのが、海外の研究データ。これによると、人を対象とした臨床試験において、明確な効果が見られた量は約100~200㎎となっています。

不眠を訴える強さが深刻なケースでも200㎎の摂取でトラブルの改善効果が見られているため、200㎎を基準に摂取量を決めていくとよいでしょう。

また、テアニンはお茶に多く含まれる成分ですが、種類によって含有量は異なります。湯のみ1杯(約80ml)あたりの含有量は、煎茶(10㎎)・番茶(3㎎)・玉露(34㎎)・抹茶(36㎎)。

ただし、茶葉の採取時期によっても含有量は異なるため、ひとつの目安として考えましょう。

テアニンを摂取するタイミング

テアニンを摂取するタイミングは、就寝の1時間前くらいが目安。しかし、200㎎のテアニンをお茶から摂取するとなると、煎茶であれば20杯ほど飲まなければなりません。しかも、お茶には覚醒作用・利尿作用を持つカフェインが含まれており、飲みすぎると睡眠の質を低下させる恐れもあります。

睡眠の質を改善するためにテアニンを摂取するなら、サプリメントを上手に利用するのが堅実と言えるでしょう。サプリメントであればカフェインを摂りすぎる心配もありませんし、目安となる200㎎を容易に摂ることが可能です。

テアニン摂取の注意点

テアニンやテアニンを含むサプリメントの利用において、問題となる健康被害・副作用が出たという報告はされていません。水溶性なので過剰に摂取した分は尿と一緒に体外へ排出されてしまうため、食品とサプリの併用についても心配はないでしょう。

ただ、カフェインを含むお茶でテアニンを過剰に摂取した場合、胸やけ・下痢・不安感・イライラなどの症状が見られる可能性があります。睡眠の質を改善するためにテアニンを摂取しても、このような症状が出てしまっては意味がありません。

必要量のテアニンを摂取するならお茶からではなく、サプリを利用するのが健康面にとっても有益と言えます。

また、テアニンには血圧を下げる働きがあるため、血圧降下剤(フロセミド・カプトプリル・エナラプリル・ジルチアゼム・アムロジピンなど)との相互作用には注意が必要。場合によっては急激に血圧が降下する恐れがあるため、専門医と相談してからの利用をおすすめします。

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